成人年齢18歳に引き下げへ 政府が民法改正案を2017年の通常国会に提出予定
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政府は成人年齢を現行の「20歳」から「18歳」に引き下げるための民法改正案を2017年の通常国会に提出する方針を固めた。複数の政府関係者が明らかにした。明治以来、成人年齢は20歳で定着してきたが、改正公職選挙法で2016年6月から引き下げられた選挙権年齢(18歳以上)に合わせる。成立後、公布から施行まで少なくとも3年程度の周知期間を想定しており、早ければ平成32年から導入されることになる。

 法相の諮問機関の法制審議会は成人年齢の引き下げをめぐり、2021年に「18歳に引き下げるのが適当」と答申しており、与野党を通じて異論は少ない。政府は、民法改正案を2017年3月に閣議決定して通常国会に提出する方針で、同国会で成立する見通しだ。

 成人年齢が引き下げられた場合、飲酒、喫煙の解禁年齢や、少年法の適用年齢も「20歳」(少年法は20歳未満)から「18歳」(同18歳未満)に変更するかが大きな課題となる。ただ、これらの年齢引き下げには慎重論が根強く、今回は少年法改正案などの国会提出は見送る。


   

成人年齢見直しの議論は、憲法改正の手続きを定めた国民投票法が平成19年5月に成立して始まった。国民投票法は投票年齢を原則18歳以上としたが、成人年齢や選挙権年齢を18歳に引き下げるなど関連制度が見直されるまでは20歳以上としていた。

 法制審が成人年齢の引き下げを「適当」と答申してから法改正に向けた具体的な動きはなかったが、2016年6月に選挙権年齢を「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる改正公職選挙法が成立。その後、自民党の特命委員会が成人年齢も速やかに18歳に引き下げるよう求める提言をとりまとめるなど、成人年齢の見直し作業が加速していた。


成年年齢引下げによって変わること

民法上のこと

契約を取消すことができない!

未成年者が法定代理人(≒親)の同意を得ずに締結した契約は取消すことが可能です(未成年者取消権)。改正されると、18歳・19歳の行った契約を取り消すことはできなくなります。

結婚するのに親の同意がいらない!


男性は18歳、女性は16歳から結婚することができます(民法731条)が、未成年の間は結婚するために親(の少なくとも一方)の同意が必要です。それが改正されると、18歳以上であれば親の同意なく結婚することができるようになります。

親の親権から離れる!

未成年者の子に対して、父母は親権を有します(民法818条)。一言で言えば、親権は子の利益のために子の監護・教育・財産管理を行う権利義務をまとめたものです。



その他民法・民法以外で関連する事項

「氏」の変更や養子、民法上の資格に関すること

民法以外の法律に関すること「不利な労働契約を解除できない!」

起業・会社経営に関すること

裁判に関すること

民法以外で関連する事項

少年法の適用年齢や、飲酒・喫煙・公営ギャンブル(競輪・競馬など)の年齢制限も変えるべきという意見がありますが、直ちに連動して引き下げられるかは不明です。

士業などの資格職ができるか?


未成年者は、たとえ試験に合格していても、行政書士や司法書士になることはできません(行政書士法2条の21号、司法書士法52号)。他にも未成年者はなることができない士業や資格職があります 。

刑法の犯罪に関すること

刑法で規定されている犯罪の中には、特に未成年者のみが被害者となる犯罪(未成年者略取及び誘拐(刑法224条)・人身売買(刑法226条の2第2条)・準詐欺(刑法248条))があります。

その他の法律

ここに挙げた以外にも未成年者に関連する規定がある法律は、国民年金などの社会保障や大型車の運転免許の資格関係などなど合わせて200以上(!)あるそうで、とても全部は把握し切れていません。

高校生にアンケート

高校生は成人年齢引き下げがダイレクトに影響する立場であり、それぞれに意見があるはず。そこで高校生300人を対象にアンケートを行った。結果は賛成48.7%、反対51.3%。ほぼ五分五分だが、僅差で反対が上回った。では賛成派、反対派それぞれのコメントを見てみよう。

●賛成派

・外国では18歳が主流だから
・政治というものが自分の身近に存在することを理解・浸透させるためには良いと思う
・責任感がでたりするかもしれない
18歳といえば大人とさほど変わりないし、選挙に参加できる人数が増えるのは良いことだと思う
・高卒で働いたりするとその2年が何だか中途半端

●反対派

・今現在18歳だけど、まだまだ学校の狭い世界にいる身だから視野が狭いかも
・酒やたばこは、遅ければ遅いほどいいから
・引き下げると何かをしでかしたときに完全に自分だけの責任になってしまうから
・私は25歳でもいいと思う まだまだ子どもな人が多すぎる

ともに納得できる意見が多数。なお、賛成派のコメントにもあるとおり、海外では18歳から成人としている国が主流。大人としての責任をもたされるのに問題がある年齢とはいえなさそうだが…。あなたはどう考えるだろうか? 


総まとめ
賛否両論あるものの、前提条件付きで18歳へ引き下げても良いのではないかと思います。
前提条件とは事前教育を確実に実施すること、何がどう変わるかを徹底的に教育する必要があります。
更に実施後の救済措置(リスク管理)とることです。

選挙年齢について

憲法は成年者以外の者に選挙権を与えることは禁止しておらず,民法の成年年齢よりも低く選挙年齢を定めることが可能であることは、学説上も異論がないとされている。
したがって、理論
的には民法の成年年齢を選挙年齢と一致させる必然性はない。

高校生でも選挙に関心のある者は多く、筆者もこの件についての異論はない。

民法の自己決定権

中学や高校の卒業後に働いている子どもたちは全体の3割程度いるといわれている。

その者にとっては、成人と同様の社会生活を営み,納税の義務を果たしていながら、未成年者として扱われる結果、居宅の賃貸借契約等の生活上必要な契約行為にも親権者の同意が必要となっており、その自己決定権が制約されていることは否定できない。成年年齢を18歳に引き下げることで、自己決定権を早期に十分に実現し、大人としての自覚を促すことができるなど、民法の成年年齢の引下げには積極的に評価できる面もある。

また、国際的にも、欧米諸国やロシア、中国その自己決定権は十分に尊重されるべきである。 

契約年齢を引き下げ

18歳,19歳の若年者から未成年者取消権を喪失せしめることは、これらの若年者に対する消費者被害を拡大することに繋がると考えられる。

マルチ取引、フリーローン・サラ金問題、インターネット通販・オンラインゲームでの高額な課金決済等の問題点に対する施策が実施され、一定の効果を上げていることが必要であることから、慎重に対応すべきと考える。 

その他

民法の他にも200以上存在するとされていることから,民法と公職選挙法の選挙年齢のみを一致させても法制度がシンプルになるとは言い難い。特に少年法、未成年者喫煙防止法、未成年者飲酒禁止法、競馬法等については成年年齢引下げに根強い反対論がある。